焼酎の製法について。焼酎と泡盛の違い

本格焼酎は、その土地で作られる芋や米を原料にして個性的な焼酎が造られています。主に九州地方が産地ですが、沖縄県が産地のお酒として有名なのが泡盛(あわもり)です。泡盛を3年以上貯蔵したものは古酒(くーす)と呼ばれ、寝かせるほどアルコールの刺激が和らぎ、上質な味になります。戦前の沖縄には200年、300年物があったと言われていますが、残念ながら戦時中に失われています。現在最も古いもので150年物の古酒がありますが、販売はされていません。

本格焼酎と泡盛の共通点

米を原料にして造られる泡盛は、1671年に徳川家に献上した記録が残っており、それ以前は焼酎または琉球酒と呼ばれていました。蒸留酒の製法はシャム(現在のタイ王国)から琉球王国、そして薩摩へ伝わったと言われています。泡盛と焼酎は呼び名が違うことから、全く別のお酒と思われてしまうのですが、蒸留の方法はどちらも単式蒸留になります。泡盛は焼酎の一種なのです。

本格焼酎と泡盛の製法の違い

本格焼酎と泡盛の製法は全く同じですが、原料を発酵させるための麹に違いがあります。お酒造りに用いられる麹には、黒麹、黄麹、白麹の3種類あり、泡盛では黒麹を使用して造られます。本格芋焼酎の場合には、3つの麹を使い分けて造られており、焼酎の名前の頭に黒が付くものは黒麹を使用しています。古来の焼酎の製法では黒麹が使われており、黒麹は麹菌の中でも雑菌の繁殖を防ぐ力に優れていています。雑菌が繁殖しやすい高温多湿の地域では、黒麹は焼酎造りに最適なのです。黒麹は色が黒に近いため、仕込み時に蔵を汚す欠点があります。それにより白麹を使っていた時期がありましたが、現在は製法を見直し、原点に戻って黒麹で造られることが多くなっています。

焼酎の製法。3つの麹の特徴

焼酎造りには麹が欠かせません。麦焼酎造りには麦と米麹を原料にしていました。しかし、大分県で麦麹の開発に成功したことで麦100%の麦焼酎を造れるようになったのです。麦焼酎発祥の長崎県の壱岐焼酎は今も麦と米麹を使った昔ながらの製法で造られています。芋焼酎造りには米麹が必要で、3つの麹を使用しています。使用する麹によって焼酎の味や香りに違いが生まれるのも特徴です。

黒麹を使った焼酎

クエン酸がもたらす辛みと、濃くキレがあり、重厚な味になる特徴があります。

白麹を使った焼酎

やさしく、マイルドな味が特徴で、古くから多くの焼酎造りに用いられています。

黄麹を使った焼酎

黄麹はもともと日本酒造りに用いられている麹で、華やかな味を生み出し、焼酎初心者にも飲みやすいです。しかし、黄麹を使った銘柄の数は少ないです。

焼酎の製法から生まれた言葉「チンタラ」

戦前の鹿児島では焼酎を蒸留するために「チンタラ蒸留器」というものが使われていました。この蒸留器の鉄釜が熱くなると「ちんちん」という音が鳴り、熱せられた焼酎は蒸気になって、鉄釜の上の樽に入っていきます。そして冷めて液体になった焼酎は、筒からカメへとタラタラとゆっくりと落ちていきます。諸説ありますが、非常に時間をかけて蒸留していた為、このチンタラ蒸留器の、のんびり、ダラダラしているという意味から「チンタラ」という言葉が全国に広まり、使われるようになったと言われています。